筑後川を面前に2軒の宿が並びます。木造の建物が風情を誘うのはこちらの温泉宿です。
宿の入口には立ち寄り湯ができる旨の表示があります。木製の扉を開け声をかけると、宿の女性が出てこられました。湯をお願いすると快諾、浴場入口まで案内していただきました。




コンパクトな脱衣所には木製の棚、洗面台が置かれ、不要なものは何ひとつありません。扉を開けると浴場です。右手に浴槽左手に洗い場があるだけのシンプルな配置です。正面のガラス戸は開かず、浴室内は湯気が満たされています。



湯口からは少量の湯が注がれ、角を落とされた浴槽の淵に刻まれた溝から湯が溢れています。ガラス窓近くの床は滑りやすく、注意が必要です。浴槽に満たされた湯は加温されていて、やや熱めです。湯は無色透明で茶褐色の辺が多数舞っています。湯の花のようです。肌感触は素直な印象です。口に含むと、極弱い鉱物味を覚えます。



浴槽は内側にタイルが貼られ、淵には木があしらわれています。長年、温泉に濡れているためか、年輪に沿い侵食されているようです。
100年を超える歴史が刻まれた旅館とのことです。速さを競うという時代、人の五感にちょうど良いテンポをこちらの宿は教えてくれそうな気がします。
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片の瀬温泉湯元 柳栄館
久留米市田主丸町菅原2268-1
0943(72)3121 HP
源泉名:鯉の湯
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
29.6℃
内湯
シャンプー類あり ドライヤーあり
500円
10:00~17:00
2013/1/14