遠賀川温泉

遠賀川の流れと別れ、老良交差点から西進すること500m、水田が広がる中に浴舎は立っている。壁に大文字で書かれた温泉名が掲示されているので、迷うことはない。
折りよく、主人らしき方が暖簾を下げている。「効能結果が出る温泉」と書かれたエンジ色の暖簾を入ると、受付だ。靴は正面の靴箱にしまう。チケットを自販機で購入し受付の方に渡す。右手奥には休憩コーナーが用意されている。




向かって左が男湯。営業開始直後ながら、客の気配が一切ない。脱衣所には、10円ロッカーが並んでいる。棚やプラ籠などはない。軽い力で引き戸を開け、浴室に入る。
真っ先に飛び込んだのは赤色を帯びた茶褐色の湯だ。透明度は全くない。鉄分が豊富に含まれているようだ。左手に洗い場が並ぶ。カーテンが吊るされている。他者への配慮だろう。右手にはサウナ、水風呂、内湯と並ぶ。浴槽はコンクリート製と思われるシンプルな意匠だ。




満たされている湯はきわめて個性が強い。手にすくうと鉄臭と極弱い硫黄臭、唇に湯が触れると塩味が五感を刺激し、滑らかに包まれるような肌感触が残る。初めて出会う印象だの湯だ。
浴槽の淵は深い褐色を帯びている。湯口からは透明で冷えた湯が少量注がれている。味をみると塩味だ。浴槽の角には何やら特殊な装置が設けられている。どうやら、この装置から加温された湯が供給されているようだが、確証はない。




内湯の外には岩で組まれた浴槽がある。塀があり、屋根があるので露天風呂ではない。湯は赤褐色の湯ではなく、笹濁りの湯が満たされている。しかも湯温は30℃台前半と思われる。夏場にはありがたい温度だ。唇に触れると塩味だ。臭い、肌感触とも内湯ほどの印象はない。内湯と交互に利用すれば疲労回復に効果がありそうだ。




コンパクトな空間に、サウナ、内湯、外湯、水風呂を備えていることに驚いた。館内、浴室、浴場とも隅々まで掃除、整理整頓が行き届いている。
館内外には温泉成分表が複数掲示されている。温泉成分を詳しく説明されていることに重ねて感心した。


遠賀川温泉
遠賀郡遠賀町浅木61-1
093(293)6869 HP
含鉄・ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
17.6℃
石鹸のみ ドライヤーあり
内湯 外湯 サウナ 水風呂
700円
休:火曜日
2014/8/29